
心の悩み解消で最も大切な”抑圧”と”投影”について
”抑圧したものは投影される”と言います。
なんのこっちゃですよね。ただ心の悩みを解消するうえで、おそらく一番大切な心の動きです。
この章では抑圧、投影それぞれについて解説します。
◎この章を読んで分かること
・なぜ人一倍苦手な人、腹立たしい人がいるのか
・SNSで他者を攻撃したくなる理由
・同族嫌悪の正体
抑圧とは
抑圧とは、自分の中の受け入れがたい感情、思考、記憶などを無意識の世界に押し込めることです。
例えば、自分の中に怠けたい、サボりたいという感情があったとします。
一方で自分の中の”べきの意識”が、その怠惰な意識に強烈にNGを出していたとします。(厳格な親に育てられたりすると、そういう”べきの意識”が強く存在します。超自我とも言いますね。この超自我はまた別の記事で紹介しますが、厳しいおかんのようなイメージです)

そうすると、その怠惰な気持ちは自分の中の”べきの意識”にめちゃくちゃ怒られるので認められません。その怒られる恐怖は、場合よっては命の危機を感じるほどの恐怖です。
とても認められないので、意識から広大な無意識という領域に押し込めます。あくまで押し込めるだけで、その感情は消えて無くなることはなく、無意識の中に存在し続けます。
投影とは
投影は、自分が持っている受け入れがたい感情や欲求を、他人が持っているものだと見なすことです。
先ほど抑圧した自分の怠けたいという気持ちは、他者に投影され、他人が怠けたがっているように見えてきます。
こんがらがりやすいですが、”自分が怠けたい”の自分を他人に置き換えて”他人が怠けたい”とイメージしてください。
今回は怠けたいという感情で説明しましたが、それは怒りや嫌悪といった場合でも同じです。
“自分が他人を嫌っている”ことを抑圧すると、自分と他人が入れ替わり、”他人が自分を嫌っている”ような気がしてきます。
他人を攻撃したくなる理由
理由には色々ありますがその一つに、抑圧して他人に投影された感情を攻撃することで、自分の葛藤を乗り越えられた気がする作用があります。
例えば怠けたい気持ちを抑圧して他人に投影し、その他人を批判することで、自分が本当は思っている怠けたいという気持ちを乗り越えた気になれます。無意識の葛藤、モヤモヤ、苦しみを乗り越えたような気になれます。
気になれるというのがミソです。そうやって他人を攻撃するのは一時的な麻酔のようなもので、心の底では乗り越えられていないことがわかっています。だからまたしばらくすると、葛藤が湧いてきます。そうするとまた他人を攻撃してその嫌な気持ちを解消したくなります。
同族嫌悪の正体
同族嫌悪のパターンも色々あると思いますが、一つはこの抑圧と投影から来ています。全く自分と異なるタイプに対して嫌悪感を持った場合にも
幼い頃、怠けていることを親から厳しく叱責され、その気持ちを抑圧した。そうして見かけ上は真面目で勤勉な性格になった。本心では疲れた、休みたい、怠けたいという気持ちを持っている。でもそれは抑圧しなければいけない、認めてはいけない。
そうするとその感情は他人に投影されます。認めたくない自分は、他人のその怠けた態度を厳しく非難することで、その嫌な気持ちを解消した気分になる。これが同族嫌悪の正体です。
外側から見れば真面目な人が怠けた人を批判するという構図で、同族嫌悪には見えません。ただ心理の面で見れば、間違いなく同族嫌悪という構図になるわけです。
逆を言えば、あなたにとって人一倍腹立たしい人や物事は、本当の自分を知るための非常に大切なものかもしれません。
補足:私憤と公憤
とは言っても、自分が何かを強く嫌う感情が、何でもかんでも抑圧/投影されたものとは限りません。
例えば、世の中のひどいな事件を見て憤る場合、それは公憤と言って公序良俗に反する一般的な嫌悪感です。ただその場合でも、やたらと人一倍そういった事件に反応している場合は、あなたの中に何か隠されている感情があるかもしれません。。。
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