過去を振り向いても意味なんてない・・・本当に?
結論ですが、未来に目を向けるために、最初に”過去”を振り向く必要があります。
世の中の一般論で言われているように、最終的には未来に目を向けて行きます。
ただ”過去は変えられないし振り向いても意味が無い”と言って、いきなり未来に目を向けようとしても不可能です。
この記事ではその理由について説明します。
もし今からニューヨークまで行くとしたら?
理由は、私達は自分のことを十分に理解できていないためです。
例えば”もし今からニューヨークまで行くとしたら?” そんな例を考えてみましょう。
私は関西圏に住んでいるので、まず1週間分の荷物と、お金と、スマホと、パスポートを準備します。
関西空港に電車で向かって、ニューヨーク直通便に乗ると思います。9割方の人がこのような手段を取ると思います。至極真っ当で当然の手段ですね。
お金さえあれば中学生でも実行可能な難しくないことです。
もし今からニューヨークまで行くとしたら?(自身の正体不明ver.)
もう一度考えてみましょう。ただし今回は、自分がどういう生き物か全く不明の状態とします。
生き物というのは、人間以外のイヌ、ネコ、トリ、サカナ、なんでもありです。
もし渡り鳥ならば、途中の島々で休みながら海を横断していくかもしれません。
もし雀なら、船や列車に紛れ込んで運んでもらうかもしれません。
マグロなら海流にのって一気にアメリカ本土を目指すかもしれませんし、イワシなら群れに入って移動するかもしれません。
イヌや猫なら富裕層に飼ってもらって旅行で連れて行ってもらうことを狙うかもしれません。
生き物の数だけ手段が無数にあります。でも自分の正体は不明だとしたらどうでしょう。その状況でニューヨークまで行けるでしょうか?本当はイヌなのにサカナだと思い込んで海に飛び込んだり、サカナなのに鳥だと思ってジタバタしたり、鳥なのにイヌだと思って陸を走ろうとしたり。
絶対に目的を達成することができないでしょう。なぜならそれは自分を理解していないから。
私達は自分が何者かを知らない
動物への例えは極端な例えでしょうか。いいえ、人間は動物には無い知性、感情、文化などを持っており、むしろ更に膨大で多種多様な生物だと言えるでしょう。
その上で、私達は自分を理解できているといえるでしょうか。自信を持って、私は私のことを十分わかってます、と言える人がどの程度いるでしょうか。少数ながらいるでしょうが、多分そんな人はこのサイトのこの文章にたどり着いていないと思います。
”ありのままの自分を受け入れる”ということが大切なのは分かる。でも実際はとても実行できない。
“たくさん勉強して東大に入って大企業に努める”のが正論だったとしても実行できないように。
いきなり未来に目を向けるというのは、自分がどういう動物で、今どこにいて、どういう能力があって、どういう状況かもわからずに目的地を目指して出発するようなものです。出発した瞬間から遭難して、力尽きるのは目に見えていますよね。でも自分たちのことになるとそうは思えない。
まずは自分の理解が必要。そのためには”過去”
というわけで、私達は目的を達成するためには自分が何者かを理解する必要があります。
その前提において、いきなり未来に目を向けるというのは正解でしょうか。いいえ、自分を知るには過去を振り返るしかありません。今の自分と地続きにつながっている過去を。
それは基本的に楽なことではありません。ただ振り返って正直に向き合うたびに、今が生きやすくなっていきます。なぜでしょうか。自分を理解できるからです。
鳥なのに地面を掘っている方が、掘るのを止めて視線を上げ始めます。木の上の果実や虫に目を向けるようになります。
そのためには今まで地面を掘っていた過ちと向き合う必要があります。それは辛い。でもそれを経て、視線を上げ始められるようになります。そして大事なことが、過去と向き合うことで、その過去が無駄ではなく価値があったことも理解できるようになります。
過去と向き合うと、自分のこれまでの自生が無駄で愚かなものだったと自覚しそうな気がするから避けたくなります。でも逆です。過去と向き合うことで、今日までを生き延びるために、鳥なのに地面を掘らなくちゃいけなかったことが理解できるようになります。
というわけで、今後の記事では過去との向き合い方について説明していきます。

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